Coach the novice. 2nd season

アメフト未経験。早稲田大学卒。企業に就職できなかった私がひょんなことから社会人アメフトのプロコーチに。コーチ歴2年の新米コーチの悩みや気づき、おぼつかない足取りを辿っていきます。

エッセイ「Bギャップでの生活」

外に出て自由に活動できない世界に、少しずつ慣れてきている。 人は慣れる。環境がそうあることを要求してくるのであれば、基本的に何にだって慣れることができる。小学2年生のころに突然、和梨の名産地からロンドンで暮らすことになったのも慣れたし、言葉…

エッセイ「燃えすぎて、震える。」

ここのところ、東京都なり千葉県なりで外出を控えるように要請があって外に出られないものだから、ついつい世間に夜更かしが公認されたような気がして完璧な昼夜逆転生活に陥っていた。朝の11時に寝て夜の8時に起きる。それは「完璧な昼夜逆転」というボキャ…

エッセイ「プロになるということ」

プロコーチとしてチームとプロ契約をした。ついに。と枕詞をつけてもいいほどの、いわゆる苦節を私は経験していない。プロになっておきながらなんだという話ではあるが、そのことが多少のコンプレックスでもある。「苦節○○年」は「ついに」のさらに前に置か…

アメフト学「フルバック不要論」

はじめに、フルバックの流行を受けて「流行っているから真似をする」といった具合に導入を考えている方がいれば、今すぐに考え直した方がいい。やめた方がいいとは言わないが、それが全くの空振りに終わるかもしれないことについて、この文章をきっかけに考…

エッセイ「2020」

年末に投稿しようと思っていたエッセイがあったのだが、師走は忙しなく過ぎていくものだ。私は学生をやりつつ、社会人チームでコーチをやりながら、School of Analyzing and Scouting(以下、SAS)という屋号で個人事業をしている。名前の通り「分析」とか「…

エッセイ「甲子園前夜」

去年のちょうどこの時間。甲子園前夜。新大阪のホテルの一室。後輩のASふたり、OLの選手ひとりと、4人でコールシートの読み合わせをしていた。毎試合、前夜にこのメンバーでコールシートを上から順に確認しながら、このプレーはここをチェックするとか、こう…

エッセイ「フットボールへのリスペクト-私が発信する理由-」

発信することは得意ではない。特にTwitterはあまり好きでもない。140字の文字数制限が非常にストレスである。無論、みな同じ条件であることも、その枠をいかに活用するかが腕の見せ所なことも理解はしているのだが、それにしても言葉がとっ散らかってしまう…

Game Plan「Game 6 アズワンブラックイーグルズ戦」

Game 6 アズワンブラックイーグルズ戦 ゲームプラン①左右に揺さぶりをかけるフロントは2メン、3メン、4メンと多様。正確なギャップコントロールよりもリアクションとパスートでストップしている印象が強い。まずは左右に大きく展開するスクリーンプレーやゾ…

Game Plan「Game 5 電通キャタピラーズ戦」

Game 5 電通キャタピラーズ戦 前節の答え合わせが出来ていない。なぜか。12月の中旬に卒業論文の提出が待ち構えているからだ。私は早稲田大学の文化構想学部表象メディア論系文化身体論ゼミに所属している。文字通り、文化を構想しながらメディアの表象につ…

Game Plan「Game 4 AFCクレーンズ戦」

Game Plan「Game 4 AFCクレーンズ戦」 Game 4 AFCクレーンズ戦 普段からよく考えることがある。「自分らしさ」とか「自分が自分である理由」とかについてだ。もしもこの時点で、「あ、自己啓発系のめんどくさい文章だコレ」と察した方がいたら、大正解。ここ…

エッセイ「私の履歴書:盲目的な情熱編」

「私の履歴書」とは日本経済新聞に掲載されている連載記事で、各界の著名人がひと月かけて自身の半生を書き記したものだ。大学の講義で扱ってから気になる人物の連載を読むようにしている。そのうちに読むだけでは事足りなくなった私は、自分が何も成し遂げ…

Game Plan 「Game 3 明治安田ペンタオーシャンパイレーツ戦」

Game Plan 「Game 3 明治安田ペンタオーシャンパイレーツ戦」 Game 3 明治安田ペンタオーシャンパイレーツ戦 ゲームスローガンは“BREAK”にした。二戦目も後半は無得点。前半の得点もドライブでつないだものが少なかった。イマイチ、オフェンスが爆発力にかけ…

エッセイ「雑草か稲か」

雑草か稲か 年に二回、夏と冬にボランティアで福島県のいわき市に訪れる。僕は今回で四回目の参加で、意外に多いなと周りに驚かれる。普段、ボランティア精神に欠けているからなのか、僕には人のために行動する気概が感じられないらしい。 前回の冬のボラン…

Game Plan「Game 2 警視庁イーグルス戦」

Game 2 警視庁イーグルス戦 9月15日の15時キックオフ。試合終了はおおよそ17時半ごろだろうか。前節のシルバースター戦後の記事は、ミネルヴァの歴史的勝利のインパクトも相まって少しだけアクセスが増加した。しめしめといった感じであるが、「ゲームプラン…

新連載Game Plan「Game 1 アサヒビールシルバースター戦」

ある試合に向けてのチームの戦略や予測される展開のことをゲームプランと呼ぶ。普通は、少なくともシーズン中には、チームの試合に向けたゲームプランが公にされることはないが、ただでさえニッチで敷居の高いアメリカンフットボールの面白さを少しでも多く…

エッセイ「ハワイが来た!」

2019.7.6-14 ハワイクリニック これまでは4か月ほど前の春シーズンの出来事から時系列に沿って投稿してきましたが、今回のエッセイは今現在について。突然現在のことで少しややこしいですが、「Week〇〇」とは違う単発のエッセイだと思って読んでもらえれば…

Week 5

2019-3-16 富士ゼロックス海老名事業所 初戦まで残り5週間。ちなみに相手は富士通フロンティアーズである。 「ちなみに」という接続詞を用いることで、特に対戦相手に関して気にしていない大物感を演出してみたものの、私は最初に初戦の対戦相手が富士通フ…

Week 4

2019-3-10 渋谷某所/ミーティング 20時過ぎ、渋谷のカフェで向かい合って座る。渋谷のわりに店内も空いているし、コーヒーもおいしい。そして何より店員さんがかわいいこの店は、どうやらミネルヴァ御用達のカフェらしい。 「このチームをどう思うか」 そう…

Week 3

2019-3-2/3 富士ゼロックス海老名事業所/プレーインストール 前週の日曜日からグラウンドでの練習が始まった。今週の土日を合わせて3日間かけてプレーインストールを行っている。初戦まで8週間。それまでに16日間の練習が予定されているが、インストールを…

Week 2

2019-2-24 富士ゼロックス海老名事業所/プレーインストール 初めてグラウンドに来た。海老名。その名を聞いてサービスエリアを連想しない人はいるのだろうか。いや、いない。疑問・反語である。海老名とサービスエリアのシナプス結合の強度と言ったら、夏の…

Week 1

2019-2-17 六本木/キックオフミーティング 卸したてのグレーのスーツに真赤なネクタイを締めて前に立つ。ミーティングルームいっぱいに選手たちが座っている。年を重ねるごとに人見知りする性格は矯正されてきたと思っているが、それでも60人以上の、それも…

Week 0

2018-12-16 阪神甲子園球場/甲子園ボウル また負けてしまった。やっとの思いで帰ってきた甲子園の青芝が、さっきまで降っていた小雨と、選手の汗と、敗者の涙と、勝者のはつらつとした笑顔で煌めいている。アウェイスタンドの最上部に位置するスポッター席か…